◆◇◆ ジオラマ話 「2つのお願い」 ◆◇◆

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夏休みは弊店にもたくさんの親子連れのお客様がお見えになります。

小学生のお子様と「夏休みの宿題にジオラマを作りたい」というご相談も多く

楽しくお手伝いさせていただいております。

今日はそんなジオラマ店から、お子様連れのお客様に2つ、お願いがあって

このメルマガを使わせていただきます。

1つ目のお願いは「模型は見てお楽しみください」です。

触って楽しむ玩具は、触っても壊れないように、ケガをしないように作られています。

見て楽しむ模型は、強度や安全性よりも繊細さ、リアルを追及して作られています。

どちらが優れているという話ではなく楽しみ方が異なり、それぞれにあった

楽しみ方で接していただけないと十分に楽しんでいただくことができません。

ご来店の中には、模型に興味を持っていただけるがゆえに、

触って確かめようとしてしまうお子様がいらっしゃいます。

お連れの方は「壊れるから触っちゃダメ!」とご注意いただくだけでなく、

「ゆっくり見てごらん。どこが面白いかな?ここに何が見えるかな?」と

見る楽しみ、発見する楽しみ方をどうぞ教えてあげてください。

弊店側にも問題があって、作品や商品の展示状態は完璧ではありません。

遠くにあったり、高いところにあったり、裏側は見えなかったり。

中には屋根が外れて中が見えるものや電気がつくものもあります。

そんな気になる模型に出会った時は、店の者にお気軽に声をかけください。

弊店ではお客様がゆっくり見てお楽しみいただけるように

あまりお声をおかけしません。

ですが、お客様のお手伝いをしたいという気持ちは内に秘めておりますので

どうぞ遠慮なくご用命ください。

そしてゆっくり見てお楽しみください。

2つ目は「やりたいことを聞いてあげてください」です。

ご来店になって開口一番「この子が作れるジオラマをください」

というお客様がいらっしゃいます。

お子様にも、下手をしたら自分にも手に負えないような商品は買いたくない!

手間いらずでお値打ち価格、失敗しない、センスの良いキットがほしい!!

・・・私も二人の娘の親として、お気持ちは痛いほどわかります。

でもちょっと待って。

感想文でもなく絵を描くでもなく「ジオラマやってみたい」と

選んでくださったお子様の気持ちはそこに入っていますでしょうか。

お子様がやってみたいと思ったきっかけ、作ってみたいジオラマが

どんなものなのかをじっくり聞いてあげてください。

そしてお子様の選んだものや言葉を一度は受け止めてあげてほしいのです。

私が最悪だと思う言葉は「あなたには無理」です。

小学生だから、初めてだから、不器用だから、無理なのではありません。

無理だと諦めて手を止めたから完成しないだけなのです。

作例通りに、最初から満点でなくても、作れば完成します。

もちろん工作の難易度や、説明書の親切さに違いが(中には英文も)

ありますのでそれは確認いただいて、お子様にも理解いただいた上で

判断いただくことは必要です。

時間や予算の制約があることもお子様とぜひお話し合いください。

中には誰が聞いても壮大過ぎるご希望をお持ちのお子様もいらっしゃいます。

結果的にやりたいジオラマ、100点満点にはならないかもしれません。

でも、一緒にやりたいジオラマを目指していただくことを強くお勧めします。

悲しいのは、お子様が「できそうだ、やってみたい」と思っているのに

「あなたには無理」とせっかく興味を持った道を閉ざして、まったく別の

(時には親御さんの興味を優先した)ジオラマをお選びいただくことです。

ご相談いただければ、弊店もできるだけお手伝いさせていただきます。

「便利な材料、リアルな材料はコレ。でも身の回りのアレでも作れます。」

といった風にお子様、お客様にもできるだけ選択肢をご提案差し上げたいと

思っていますので、やりたいことをご相談ください。

どうぞ2つのお願いを守って、楽しい夏休みの思い出を弊店でお作りいただければ幸いです。